わがまま猫男子いりませんか?
そして、あたしのよき相談相手でもある。

仲がよくて、一緒に買い物をしたこともある。

そんな遥香先生は笑顔でプリントを配っていた。

ふと、思い出して龍の方を見る。

チョコレートを食べるのを寸止めされた龍は、ふてくされたように机に突っ伏していた。

ときどき「チョコレートが……」とか、「せっかく、綾菜が……」とか聞こえたけど、無視しておくに限る。

龍を見ていると、痛いくらいの女子達からの視線を感じた。

『何、龍とくっついてんのよ!』

そう聞こえた気がした。

あたしは誰にもバレないようにそっと息をつくと、黒板に目を向けた。

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