わがまま猫男子いりませんか?
「あ、いや、そういうわけじゃなくて」

あたしが首を横に振ると、龍がニヤリと笑った。

まるで何かを企んでいるような笑み。

「えんりょすんなって。俺が食べさせてやる」

この会話を聞いていた女子が騒ぎだす。

龍はそれを気にせずにあたしの口に無理矢理チョコレートを入れた。

口の中でチョコレートが溶けていく。

「な?うまいだろ?」

作ったのはあたしなのに、龍は自慢気に言う。

あたしはこくりとうなずいた。

「じゃあ~、次は俺に食べさせて?」

「……はい!?」


あたしはしばらく固まってしまった。

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