若葉町物語
次の日の朝、痛みはなくなっていて、昨日の夜が嘘みたいにスッキリしていた。


カーテンも開けられていて、ちぃすけが義足を一人でつけているところだった。


「ちぃすけー。プレイルーム行く?」


病棟に入ってきたのは、昨日とは違いリラックマのエプロンを着たおば…じゃなくて、お姉さん。


「行くから、安田さん待ってて」


安田さんっていうんだ…。


安田さんは、急がなくて大丈夫だから、とちぃすけにい言って私の方に来た。


「お名前は?」


「青木 千花です」


「千花ちゃんね…。4西で保育士をやってる、安田 幸子です」


名前渋くね…?幸子って…。


思わず吹き出しそうになるのを抑える。


「どうも」


「千花ちゃんは、車椅子に乗れるのかな…?」


知らないっすね…。


黙ってる私を見て安田さんは、乗れないと思ったのか、


「じゃあ、朝食持ってくるね」


と言って、義足を履き終えたちぃすけの手を繋いで病室を出た。

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