若葉町物語
しばらくして、安田さんが私の分の朝食を持って来た。
ご飯がおにぎりになっていて、私が食べやすいように工夫されていた。
「ありがとうございます」
「また後でくるね」
1人になった病室でおにぎりを口にいれる。
献立には塩なんて書いてないのに、そのおにぎりにはほんわりと塩の味がした。
昨日から少しずつしか食べていなかった私は、流石に限界で、嫌いなひじき以外のすべてを食べた。
しばらくケータイをいじっていると、主治医の神崎先生が来て、ちぃすけ、そして私の順に見ていった。