Hurly-Burly 5 【完】

サユがふと彩乃ちゃんにボソっと小さく聞いた。

「それって体の関係があったってこと?」

そう聞くサユに首を縦に振った彩乃ちゃん。

な、なぬ!?

なんて、無責任な男なんだ!!

そんな男は焼却所にぽいしてやれ!

日本の恥だ!日本男児はもっと硬派にしろってんだい。

「さ、最低な男ねっ!今すぐ蹴り飛ばしてやりたい!!」

サユの気持ちに激しく同感だった。

「でも、断れなかったあたしがいけない。」

「何を言ってるんですか!奥さんが居るというのに

女子高生の彩乃ちゃんみたいな美人を手に掛ける

犯罪よ!!むしろ、男の風上にもおけないわ。」

そんなヤツのことなんて忘れちまえ!

諦めるとかそんなこと言わなくたっていい。

「ひ、日和ちゃん?」

「彩乃ちゃんはとっても素敵な女の子なのです!

絶対に自慢の彼女にしたいランキングに入ってるでしょう。

だから、もっと自分を大切にしてあげてください。

今は苦しくてもきっと報われる日が来るはずだから、

彩乃ちゃんを世界で一番幸せにしてくれる王子が

現れるまであたしが代役努めます!」

もっと、打ち明けられる恋をして幸せになって。

彩乃ちゃんみたいないい子は決して多くない。

心から幸せになれるようにあたしも力になる。

「日和ちゃん・・・そんなこと言ったらまた泣きそう。」

「いいよ、うーんと泣いていいんだよ。彩乃ちゃんが

頑張ったのはあたしたちがちゃんと分かってるから、

気が済むまで泣けばいい。ちゃんと、受け止めてあげます。」

腕を広げて彩乃ちゃんを迎えると細い彩乃ちゃんの

体を抱きとめてあげた。

「・・・ッ」

「たくさん泣いてスッキリしたらきっと前に進めます。」

「・・・・・カッコ悪いところ見せてごめんね」

「全然カッコ悪くなんかありませんよ。」

泣くことがカッコ悪いだなんて誰が決めつけたんだ?

あたしはカッコ悪いだなんて思わない。

「な、何かあたしまで泣きそうになったじゃない!!」

サユも一緒に飛びついてきて受け止めるあたしが

踏ん張りどころだと頑張った。

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