Hurly-Burly 5 【完】


***



said:村田




それにしても、ひーちゃんのは鈍感っていうのかね?

あれは、物凄い勘違いってことにしといた方が良さそうだ。

しかし、ひーちゃんには困ったものだね。

たまに、予想不可能な行動に出るものだから驚いた。

「あの、日和ちゃん帰りましたよ?」

有栖川のヤツが声を掛けてきた。

「つーか、ひーちゃん気づいてるのか?」

相沢が部屋に完全に乗り込んだところを見送りながら、

一応部屋に入ることにした。

「気づいてるって何が?」

宇佐木が相沢の方へ振り返った。

「ほら、最近何かとひーちゃんの周りが騒がしいなってことに。」

相沢、お前ストーカーになりたいんじゃないか!?

よく見てるよなー。確かにそんな感じはしたけどさ、

それって少し前からのことだろう。

「この間、頼られたこともないひーちゃんが

地縛霊にとり憑かれてるからどこかにいい霊媒師

はいないかって聞いてきた時は見当違いもいいところだと思ったな。」

ああ、ひーちゃん言いそうだな。

「お前らがパクられてからひーちゃんの周り可笑しくなってる

ってのには気づいてるよな?」

大体、その時期ぐらいから妙だなとは思った。

「知らないわけないですよね。全部、処理してるんですから。」

有栖川が湯呑にお茶を注ぐ動作を見てた。

「だと思ったわ~。妙にすぐ違うやつになるもんな。」

そんなところまで気づいてるとはな。

「何だよ、テメェらも気づいてたのかよ。」

慶詩が、ひょっこり顔を出してきた。

「そりゃ、何かあったらと思うと見張ってねぇと

何仕出すか分からない子だろ?」

「でも、大概さーちゃんがねじ伏せてるヤツも居るよねー。」

さーちゃん、本当におっかない子だ。

男の顔面に蹴りを食らわすのを見ちまったからな。

迂闊に行動しちゃ命が何個あっても足りないよな。

「やっぱり、ヒヨリンに誰か付けといた方が

良かったんじゃねえか?」

ナルが眉を下げて問いかけたのを見て、

ちぃが撫で撫でして心配要らねぇと呟いた。

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