Hurly-Burly 5 【完】
過保護過ぎるのは良くないってことか?
「まぁ、ウチのお姫ちゃんは可愛げないぐらい
か弱くないしね~。」
古河、それは納得行くけど・・・ひーちゃんだって女の子だ。
「もし、この先戦争起こすような事態の引き金が
ひーちゃんだったりしたら益々朔に頭が上がらなくなるんだよなー。」
相沢がため息を吐き出すのを横目に同意した。
「ほら、ひーちゃんがどこで誰と出会ってても可笑しくない。
知ってるようで知らないことの方が多いだろう。
そういうのは案外知った気で居るだけってこともあるからねー。」
ひーちゃんみたいな子を気に入るヤツは大勢居るだろうな。
自分では気付いてないからそれも厄介なもんだよな。
「俺的には、早く統一してくれると安心して教師
生活出来るんだけどねー。」
この街のしがらみと戦うってなるとまたスケールが違う。
「今はどこも警戒してるだけだ・・・・」
京がクールに呟くのを瞬きしながら見た。
コイツ、喋れたんだな。
偉く人形みたいな奴だと思ってたわ。
「つーか、教師がんなこと言っていいのかよ。」
耳を掻きながら言う慶詩に相沢がキョトンとした。
「俺は腐ってもお前らの担任だからな。
それに、言ったろう。ひーちゃんをお前らに
預けた意味ぐらい分かってくれよな。」
そう言えば、ひーちゃんとコイツらが関わる
ようになったのはナオが原因だったんだな。
「何で、預けた?」
千治が首を傾げるのを見て相沢が目を見開いた。
「・・・・天然から鈍感に昇格したか千治さんよ。」
相沢が深いため息を吐き出すと口元を緩めた。
「俺が教師になろうと思ったのはひーちゃんのおかげなんだよね。」
そんなこと、俺すら知らなかった。
確かに、いきなり方向転換したなと思ったら
大学に真面目に通って教員免許も一発合格してきて、
それまでと打って変わった。
「ひーちゃんの人見知りっていうのかあれは・・・それを
お前らが変えてくれるようにお前らの中でも少しは
変化があったんじゃないか?」
そんな力を持ったひーちゃんだからこそ
俺も救われたんだろうけどな。