Hurly-Burly 5 【完】

世界の愛と平和を守るために戦う愛の戦士だからな!

「これは、決めポーズだ!よく、見たまえ。

この足の位置が重要なのだ。これが要と言っても

過言じゃないのでよく覚えておくように!!」

この決めポーズを考えるのにあたしがどれだけの

時間を費やしたと思う!?

約1日はこれについて悩んでしまったのよ。

人差し指を前に指して、左手は腰に当てて、

足はクロスさせる。

↑これが一番の重要なポイントだとあたしは信じている!

白けた視線を送ってくるのはやめてもらえないだろうか。

悪党の癖に正義のヒーローにそのようなことが許されると

思うのか!!成敗してくれるぞ!!

「よく、覚えとけ。あたしを突っつけばどうにか

なるだろうなんて甘いこと考えてるようでは青年

君には悪党を名乗る資格などないのだよ。」

そんな、王道なことをしてるようでは世間の荒波では

米粒以下の存在になっちまうわよ。

「はぁ?」

怪訝な表情をする男に気にせず言いたいことを言った。

「悪を語るにはまだ青臭いんだ若造。」

※自分のことは棚に上げてます偉そうに。

「貴様らのようなヤツにあたしが屈すると思うか?

そんな骨のないヤツだと思われてるなら向こうで

傍観しているお仲間にでも伝えとけ。」

あ、あたし、こんな大口叩いといていいのか!?

益々、悪党を煽ってるような気がするよ。

しかし、負けず嫌いの性格がどうしても出て来てしまう。

それに、知ってる周りで傍観してるヤツが2組ほど居る。

あたしの危機探査センサーをナメるなよ!!

意外と役に立ってるんだからな。

「あんた・・・人違いじゃないよな?」

目を点にする若造がぱちくりと瞬きする。

「人違い?そんなことをしていいと思ってるのか!!」

だ、台本の変更ミスだって言うの?

あたしを人違いするとは何たることなの!!

だけど、油断してたんだと思う。

秘密兵器を使ってすぐにこの場を去ってれば

ミッションはコンプリート出来たんだ。

時間を与えすぎてしまった。

全てのミスはあたしにあるというわけだ。

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