Hurly-Burly 5 【完】
ちぃ君がムスっとしながら引き下がるわけにはいかなかった。
ここに来て、ちぃ君のご機嫌がナナメになった。
「ケチじゃない。」
「えっ!?」
い、今それについての論議要らなくないか!!
ケチって言われたのがよっぽど気に入らなかったんだな。
「お前、絶対首突っ込むだろ?」
「なっ、そんな恐ろしいこと出来ないわ!!」
首を突っ込むなんてあたしには無理よ。
「何か、話が咬み合ってねぇよ。」
ユウヤが板挟みになってしょげた。
「日和ちゃんは何を知ってどうしたい?」
馨君が車体の不安定さに体を揺らすあたしに
片手を添えて支えてくれた。
「み、みんなのことを知りたいよ。知ってあたしに
出来る事があったらどうにかしたいよ。出来なくても
応援はしたいよ。エールを送る練習もしてみる!」
「応援?」
「あたしが少しでも人と向き合えるようになったのは、
認めたくはないけど・・・その皆様のお陰だと思うんだ。
だから、借りは返しておきたい。それに友達なんだから
応援するのは当たり前だ。絶対にあたしは味方だ。フレー
フレーっていうのを応援団の人に頼んで置こう。」
応援団の人に公演を頼んでフレーフレーとエールを
送ってもらうならチアガールは可愛い子に頼まないとだな。
「応援団に頼んじまうのかよ~」
「じゃあ、あたしやるよ!学ラン着るヤツ
カッコイイからやってみたいと思ってたんだ。」
何か、押忍ってやるの憧れの青春ドラマみたいで
機会があればやってみたいとずっと密かに思ってた。
「・・・・・危ねぇから教えたくない。」
漆黒の瞳が吸い込まれるようで綺麗すぎて、
心臓を圧迫するような空気が流れた。
「危ないことしないって約束する!」
「はー」
視線を下げるとちぃ君が短くため息を吐き出した。
「じゃあ、いいよ。もう聞かない。
だけどね、もし辛くなったりして愚痴でも吐きたく
なったらあたしを銅像でも道端に転がってるお地蔵様
にでも見立ててでいいから言ってくれれば絶対受け止めるよ!」
ナイスキャッチングで動じないように頑張りましょう。
それぐらいしか出来る事はないもんね。
少し不安そうに揺れるちぃ君の瞳が定まった瞬間だった。
「・・・・・・勘弁してくれ。」
綺麗な瞳で見つめられて心臓が加速した。