Hurly-Burly 5 【完】

和風の木で作られた門が凛々しかった。

ガードマンのようなスーツを着た男性が

2人ほど門番をしているのかと思ったらそうでもなかった。

とにかく、イカツさ丸出しのオジサンたちだった。

その風貌に似合わずにこやかに出迎えられた。

「日和ちゃん、ビックリしたから。」

「か、馨君、ご迷惑お掛けしました。」

ぺこりと謝ると馨君は怪我してなくて良かったと笑った。

「モタモタしやがって!」

慶詩に文句を散々言われた後にもう一度家の方を見た。

ドキドキしてきて興奮収まらない!!

「鼻血止まれ!!」

鼻血をどうにか止めさせないと。

こんな姿でお邪魔なんて出来ないわ。

「ひよこ、車に轢かれる・・・・」

道端でウロウロして鼻血止まれと呪文のように

連呼していたら京君に注意された。

黒塗りの車が通るスモークガラスの窓が開いて、

「若!!お帰りになったんすか。」

とにかく、おっかなそうな人だった。

その割には、ちぃ君を見る眼差しは子犬のようだった。

わ、若っ!

カッコイイ呼び名だな。

鼻血が止まるまで電柱に隠れてそっと様子を伺った。

こんな姿では変な人だと思われる!!

頭可笑しい子来たよ大丈夫かって思われたら終わりだ。

コソコソ隠れて遠くから様子を伺おうとしたら、

すぐに窓が閉まって車が発車された。

「何してんだ?」

「気配を消すを実行してる!」

ちぃ君が首を傾げる。

「オメェちったージッとしてろ。」

「だからこそ、息を潜めてた。」

慶詩に酷く呆れられたのは言うまでもなかった。

鼻からティッシュを取って、止まったことを

確認してから飛び出せばバイクがビューンと

通過するのを華麗にクルリとターンをして交わしたら、

みんなに何故かすごい怒られた。

「か、交わしたのに!」

「ありえねーよ。」

「ばっきゃろう!!」

とにかく、散々の言いようでHPが100削れた。

心はマイナスの世界に突入した。

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