Hurly-Burly 5 【完】
兄ちゃんはやっぱりふざけた脳みそを所持してる。
「ひーちゃんは可愛いんだからね!油断したら、
良からぬこと考えた男がひーちゃんに悪さするかも
しれないだろ!」
師匠もあたしを凝視して吃驚した顔をしている。
「兄ちゃん、考えすぎ。」
兄ちゃんほど、モテたことないからな。
寧ろ、今日だってそんな心配要らない。
あたしには常に大和さんを付ける。
挨拶する時だって基本海斗さんが一緒だ。
そんな良からぬ人があたしに関われることはない。
「でも、ひーちゃん・・・・・」
スッとほっぺを撫でられて頭撫でられないからって
笑う兄ちゃんは泣きそうな顔をした。
「女の子なんだからいつもそういう格好してればいいのにとは
思ってたけど、何でよりによって今日なのかな・・・」
多分、家族だからってこともある。
あたしのドレス姿をこんなにベタ褒めしてくれるのは
数少ないからありがとうって気持ちもある。
後者の言葉に言葉を詰まらせて兄ちゃんを見上げた。
「どうにか、今日までには考えを改めさせたかった。
ひーちゃんが、毎日学校に行くの楽しそうで忘れて
た俺が悪いけどこんなことになるならもっと早く
帰ってくれば良かったな。」
「兄ちゃん」
「どうしても行くのか?」
その問いかけをする兄ちゃんの瞳は今までのふざけた
様子はちっともなくて真剣そのものだった。
「行くよ。もうずっと前から決めてたことだから。
兄ちゃん、隠しててごめんね。言いたかったけど、
兄ちゃん反対するんじゃないかって思っ」
言いかけた言葉は兄ちゃんの突如の奇行によって遮断された。
あたしの脇腹を持ち上げて軽々と抱き上げられた。
まるで高い高いしてるみたいな格好で吃驚した。
「反対なんかしないさ、いや本当は反対したいけど、
ひーちゃんの決めたことなら仕方ない。まだ、考える
時間はあるからどうしてもってなったら兄ちゃんが」
「兄ちゃん、それはさせないよ。」
そんなことあたしが居る限り絶対にさせない。
首にはやっぱり四季さんに貰ったネックレスが揺れる。