Hurly-Burly 5 【完】

それがあたしに出来ることなら全力でエールを送る。

「みんなが臆病に怖がるから少しでも力になれる

ようにしたいのですが力不足で思うようにならない時

の方がずっと多くてしょうがないです。」

「怖がる?」

「自分たちの言葉を信じて貰えなかったり、

彼らを怖がったりする人が当たり前だったようなのです。」

どうして怖がるのか分からない。

接してみれば、意外と良い奴らではないか。

「・・・・・そう。」

純玲さんが少しだけ真顔になった瞬間だった。

「どうかされましたか?」

それが気になったのは何か引っかかるからだ。

「・・・・・少し千治の小さい頃の話をしてもいいかしら?」

「はい、是非ともお聞かせ下さい!」

ちぃ君の小さい頃の話か!

ワクワクするではないか。

「千治は昔から伊織君と一緒でね。稜さんと徹さんが

幼なじみでご近所に住んでたから自然と仲良くて、

稜さんに似て抜けてるところがあるでしょ?」

ちぃ君は、だいぶ抜けてると思います。

天然さ加減には毎度焦ります。

「それにいつでもどこでもマイペースなところあるから、

伊織君以外にお友達出来なくて少し心配してたのよ。」

あの、ちぃ君ならでは過ぎてビックリだ。

ちぃ君は小さい頃からあのままだったのか!

「伊織君はお友達がたくさん居る子だったけど、

千治のこと気にかけてくれてね。よく遊びに

誘ってくれて感謝してるわ。」

伊織君は昔から社交的だったんだな。

確かに、見知らぬ女の子を速攻で口説こうと

するところを見ると人見知りしなそうだ。

「幼稚園に入る頃には馨君とも知り合ってね。

馨君は千治が自分から友達になれた子だって

いうのを伊織君から聞いた時は少し安心したの。」

純玲さんが微笑みながら話す様子を見ると、

ちぃ君は随分と可愛がられていたのだろう。

「稜さんも喜んでね。稜さんは千治が可愛くて

しょうがなかったみたいで陰ながらずっと応援してたのよ。」

ふふっと笑う純玲さんは懐かしそうだった。

そして、稜さん何気に可愛いのですが!

陰ながらちぃ君に友達出来るか心配していた

ところを是非とも激写したいよ!!


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