Hurly-Burly 5 【完】
グイっと腰に巻き付いた伊織君父恐るべしっ!
モノの数秒でこの動きは神業だ。
最早、それに感動してしまいそうである。
「いやー、日和ちゃん可愛いね。」
この人、何をしているんだ!?
「何をしてるんですか?」
「茉莉ちゃん、怖いんだよね~」
「自業自得だと思うのですが、即刻離れて頂けないでしょうか?」
伊織君父が口元を緩める。
「何笑ってるのですか?」
「いや・・・ブッ」
伊織君父が腹を抱えて笑う。
笑ってる場合なのだろうか!?
この人、能天気なんじゃないか?
「徹さん、あんまり困らせないで下さいね。」
「わーってるよ。」
馨君の言葉にスルッと手が離れて解放されたと思ったら、
「徹さん?」
にこやかに笑った茉莉花さん登場で徹さんが青ざめた。
「茉莉ちゃん、落ち着こう。」
「・・・・ふんっ」
徹さんにそっぽを向いて廊下を歩いて行ってしまった
茉莉花さんに徹さんが激しく落ち込んだ。
「日和ちゃん、どうしたらいいと思う!?」
「何故、あたしですか!?」
徹さん、急すぎるのですよ。
「だって、女の子でしょ?おじさんにいいアドバイス
してくれたっていいと思うよ。」
なっ、自業自得ではないか!
「謝ればいいのではないですか?」
「謝ったら許してくれると思う?」
な、何を仕出かしたと言うんだ!?
「罪を自供して償えば人生やり直せますよ!」
徹さん、すぐ様茉莉花さんに自供して
事情聴取されるべきだと思うぞ。
「自供しちゃ駄目じゃん。男ってのは嘘を
吐く生き物だよ。」
徹さん、そんなこと言ってる暇があるならひれ伏せ!
さっきの稜さんと純玲さんのような穏やかな夫婦
に収まった方がいいんじゃないかい?