Hurly-Burly 5 【完】
でも、神主さんとかに聞きに行かないとだよね。
途中で抜けるというのは心苦しいものがあるもの。
誠意を見せないとならないわ。
「じゃあ、すまないが少々そこら辺で待っててくれ。」
受付から下がって神主さんを探しに行くと、
すぐに見つかって事情を説明をすると快く承諾してくれた。
ダディの知り合いというだけあって中々話の通じる人だった。
巫女服から着替えて外に出るとあからさまにガッカリされた。
「残念過ぎるわ。」
「そ、そんなことはないぞ!」
済まなかったな、私服はいつも通り地味だ。
本物の巫女さんだってきっと私服は自由なはずだ。
伊織君、コスプレが好きなのか!?
そういう趣味があったとは意外だったよ。
「オメェーね、失礼じゃねぇ~の。」
「な、何が!?」
「声に出てるから~」
「な、何のことだか知らんな。」
背後にチラつくのはサタンが舞い降りたに違いない。
「日和ちゃん、急にごめんね。」
「大丈夫ですよ、予定無くなりましたから!」
確かに、急に来たのは予想外だった。
何か連絡さえ入れてくれればいいものを
どうしても手が外せない用事でもあったらどうしてくれるんだ。
「それはそうとどこへ行くつもりですか?
先ほどの伊織君の仰った件は何かの手違いだと」
「ヒヨリン、アイツ毎日来るの?」
ナル君は今日も愛くるしいエンジェルスマイルを
浮かべるものの元気が半減してる。
「What?」
アイツとはさっきのこと言ってるのか!?
「うん、何か嫌だな。」
「彼がナル君に嫌なことでもしたんですか!?
それは早急に手を打っておく必要がありそうね。」
「そういうんじゃなくて!」
「はい?」
「さっきだってちゅーされてたし。」
「あ、ああ、あれは」
「ナルちゃん、ヤキモチなんて可愛いじゃねぇ~の。」
や、焼き餅!?
な、ナル君は焼き餅になりたいのか!!
か、可愛いのかそれは・・・┐(´・c_・` ;)┌
でも、あたしナル君は何を着ても可愛いと信じるわ。