Hurly-Burly 5 【完】
ナル君のシュンとした頭をよしよしと撫でた。
「ナル君、あたしはどんなナル君でも好きだからね!!」
「えっ・・・・?」
「ほら、焼き海苔は塩味が効いてる方が味出るって
言うのと一緒で見慣れた光景にさえなればナル君の
一部となるってことですよ。」
焼き餅は醤油に海苔でしょ!
因みに、焦げ目は少なめの方が好みだな。
「ヒヨリン?」
「あたしはそんなナル君でも可愛いと思うんだ。」
「何言ってんだオメェ。」
「ナル君は、焼き餅になりたいんであろう?」
「全然、ちげぇーな。」
白けた視線を全員に送られる羽目になった。
「な、何が違ったんだ!?」
「ひよこ・・・最初から違う。」
「えっ!?ナル君、焼き餅になりたいのではなく食べたい
ってことで解釈は合ってるだろうか?」
「それも違うだろうーな。」
ゆ、ユウヤ、それはマイッチングだな。
「ヒヨリンは、ちゅーされちゃ駄目なんだからな!」
「は、はい!?」
「そんなヤツ居たら絶対に殺す!」
「な、何と物騒なことを!!」
ナル君の口から信じ難いお言葉が出てしまった。
「日和ちゃんってガード固いのか緩いのかイマイチ
良く分かんないよな。」
「確かに、上條にはひでぇー扱い出来てたよな。」
「何故か、あたしが非難を受けている・・・」
確かに、あの油断は不覚だったと自負している。
だが、しかし、当人はちっとも影響を受けてない。
ドキリとも何ともないのは心臓が強靭になったことと、
実はあれそんなに当たってなかったからである。
あの人、多分下手くそなんだと思う。
海外の挨拶の勉強入門編を貸してあげるべきね。
「な、ナル君、プンスカの顔は美容に大敵なんですよ。」
「ヒヨリン?」
「可愛い顔が台無しです。嫌なことはあたしが吹き飛ばして
やりますからお願いします。笑ってて下さい。」
至近距離でナル君を説得してみようと試みたら、
ナル君の顔がボンっと沸騰したかのように真っ赤になった。