Hurly-Burly 5 【完】

あまりにも無言が続くのを見てギョッとした。

し、しまった!

あたしとしたことが、歯に海苔がついてたのか!?

みんなが無言になるなんてこんなことしか思いつかん!

やたらと磯辺揚げ食べ過ぎたから気付いてない内に

歯に海苔が付着したんだと思われます。

海苔が歯についた女ってタイトルになったらあたし

泣ける気がするよ。

「へ、変なところでもありますか!?」

ドキドキしながら言葉を発したらナル君が

ぎゅむっと抱きついてきて池に落ちるかと思った。

「な、な、なっ、何事だ!?」

またしても、この子はなんて力の持ち主なんでしょうか?

「いや、日和ちゃんってたまに笑うようになったなって。」

馨君がにっこり微笑むのを見て安心した。

「な、何だ・・・歯に海苔がついてたと思ったではないか。」

あたしの心配をよそに何と言うことだ!

「オメェってKYだよな。」

「今、流行りの言葉だな!慶詩は世間の最先端を

歩く男にでもなったのか?」

「マジでその頭殴りてぇー。」

慶詩の睨むに怯むあたしではないのである。

「ヒヨリン、マジで可愛いー!」

「な、な、なんてことを口にするのだこの子は・・・」

ナル君、そしてお腹にあったものが出そうです。

ぎゅうぎゅうに縛られてるような気さえします。

「うぐっ・・・ゲホゲホッ」

「ナル、ひよこ死ぬ・・・・・・」

京様、そうです!あたし、内蔵が壊滅してそうです。

「ヒヨリン、誰にやられたんだ!?」

そして、可愛いことこの上ないですナル君。

「ナル君はエンジェルです。」

「駄目だなこりゃ、慶詩の出番じゃねぇーか?」

伊織君、貴様が派遣してたのか!?

「ノーセンキューだ!」

「ヒヨリン、大丈夫か!?」

大きな目が不安そうに揺れて長い睫毛が

瞬きするたびにナル君の可愛さが表出しする。

「大丈夫ですよ、これぐらい慣れましたから!

いつでもcome hereです!!」

両手を広げて待ち構えたらナル君が潤んだ瞳を

瞑って満面の笑みで突進してきた。

< 71 / 415 >

この作品をシェア

pagetop