Hurly-Burly 5 【完】
「・・・・・ゴホッ」
言ったわりには衝撃が大きかった!
噎せるあたしを気遣う馨君に感動だ。
「日和ちゃん、大丈夫?」
「馨君、あたしの骨はどうか海にばら撒いてくれ。」
「骨って・・・・大げさな。」
馨君、真面目にあたしは考えてる!
大げさなんてことはないと思うぞ。
「したら、あたしの全財産は君に譲ろう。」
「何か、すごい規模になった。」
はした金ですまなかったと遺言書に付け足しておくさ。
馨君の優しさはプライスレスです。
お金では買えない優しさだとも。
「日和ちゃん、寒くない?」
馨君はやっぱり気遣いのできる紳士さんだ。
「うん!ナル君がポカポカなのです。」
「ヒヨリン、手が冷てぇー!!」
ナル君が寒いよなっていいながら、
手を温めてくれた。
「ナル君、そんな恐れ入ります!」
「何言ってんだよ。ヒヨリン女の子なんだから
体冷やしちゃよくないだろ!!」
可愛く頬を膨らませて言うナル君にキュンとした。
「カイロをたくさん貼ってますし、ちゃんと
腹巻してますゆえに対策は練ってます!」
「ヒヨリン!?」
「あたしは性別が女で良いのですね?」
「あ、当たり前だろ・・・」
ナル君がビックリした顔をする。
「よ、良かった、最近おっさん女子というのが流行り
らしくてあたしも仲間入りするのではとビクビクしていたんですよ!」
テレビでやってたんだよ!
おっさん女子増加中とか恐ろしい番組が・・・Σ(゚д゚lll)
「今年こそは素敵なレディーになってみせますっ!」
ふんっ!頑張るわ。母さんに負けないぐらい
いい女になってやるんだから!
「そーかよっ、まっ、精々男らしくなんねぇーように
気をつけるんだな。」
け、慶詩め!あっと言わせてやるんだからな。
覚悟しとくんだな!!悠長なこと言ってるのは今の内だぞ。