Hurly-Burly 5 【完】

目を丸くする料理人たちにペコリと頭を下げて、

腕に抱えていた熱燗を調理台に乗せた。

「あの、熱燗の追加だそうです。」

「君は若のご友人じゃないか!そんなこと

せんでいいんだ。誰か、椅子をお持ちしろ。」

ど、どんな待遇ですか!?

「あ、いえ、でも、頼まれているのでお持ちしますよ。

おつまみもあると嬉しいとのことです。」

一番下っ端の人なのか若い板前さんが、

椅子を運んできてくれた。

「そ、そのお気遣いなく見学させて下さい!」

「かまやしねえよ!」

料理長が好きなだけ見てってくれと言ってくれた。

折角、椅子を出してくれたのにずっと調理している

ところを見学していてメモを取った。

今後の役に立つかもしれないわ!

「あの、一品作らせてもらってもいいですか?」

見ているだけではつまらなくなってきてしまった。

でも、こんな小娘に調理場荒らされてたまるかって

奇襲されたら一貫の終わりだよ!!

あたしの人生にグッバイは困るのだよ。

※あくまで、日和の妄想です。

ほ、包丁を握った料理長との見つめ合いだった。

その包丁は絶対に切れ味がいいに決まってるわ!

「す、すみません、勝手なことを言ってしまって。

見ているだけでは居ても立っても居られず不躾けでした!!」

包丁で刺されて死ぬのはバッドエンドなり。

「気に入った!材料は好きに使うといいよ。」

「よ、良いのですか!?」

嬉しさに鼻歌を歌って調理を開始した。

※ポーカーフェイスで鼻歌を歌う日和に困惑する

調理員の皆様です。

明太チーズのちくわ巻きと帆立の焼き春巻き、

れんこんチップスにかぼちゃの煮つけを調子に乗って

ささっと作って満足した。

「すごく美味しそうだ!料理が得意だったんだね?」

「多少は出来る程度ですよ。まだ修行が足りない

ばかりなので先ほど勉強になりました。」

今度、兄ちゃんに作ってあげようかな。

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