Hurly-Burly 5 【完】
あわっ、あわわ!
「「ヒヨリンっ」」
ナル君とユウヤがハーモニーを奏でた。
「な、な、なっ、何でしょうか!?」
慌てて妄想世界からよいしょっと引き戻される。
「良かった!でも、ヒヨリンが変わってなくて何よりだな。」
ナル君がエンジェル顔負けのキューティスマイルを繰り出してきた。
「変わってなくてとは?」
「うん?よく分かんねえんだ。でも、何かヒヨリンが
たまに違う子みたいな気がする。」
ドキリと胸にどよめきのようなものを感じた。
「違う子?」
あたし、何か仕出かした!?
「最近は表情も少し変わるようになったから。」
ナル君のキューティースマイル恐るべき威力だ。
鼻血が出そうなのを堪えるので必死だ。
「それなら、みんなも雰囲気が変わったと言ってましたよ。」
いろんな人がそう言ってるの知ってた?
「誰のせいだろ~ね?」
伊織君がヘラヘラ笑いながら呟いた。
「あたしには元から何の変わりもないように見えますが!」
どこが変わったのかどうか詳しく説明して欲しい。
「あれからもうすぐで1年経つのに?」
馨君がクスクス笑うのを見てたら、
「あんまり変わったようには見えないわ!」
「オメェ鈍感だからしょうがねぇな。」
慶詩がユウヤと肩を抱きながらケラケラ笑った。
「ど、鈍感って鈍い子のことでしょうが!
あたしは鋭い勘の持ち主なんだからな!!
頭脳明晰でいつか出来る女になって見下して
やるんだからな。」
「ほー、やれるもんならやってみろよ。」
「むむっ!絶対土下座させてやるんだわ!」
もしも、あたしが変なところあるんだとしたら
それは多分気のせいだ。
あたしはもう悩まない!逃げない!強くなる!
それから、出来ることなら最後まで隠し通してやる。
もう心に決めたよ。
傍にいたい感情は鍵を掛けるの。