Hurly-Burly 5 【完】
藍ちゃんにはあれから会ってないし、気まずい
ことを知ってしまってとりあえず放置してたけど
さすがに知ってるのに藍ちゃんに誤解を与えるような
行動は慎まないとだよな。
うん?でも、何故、あたしが慌てなきゃならんのだ!
大体、ちぃ君が誤解を与えないように気をつけるべきじゃないの?
こ、この秘密はひとまず置いとこう。
誰にも告げる気はないが、あたしだけ焦ってワタワタしてるのが
気に食わないがこれも2人のためよね!
今度、藍ちゃんと会う約束してるし、その時も普通よね!
あー、こういう時、ポーカーフェイスで良かったと思えるわ。
『ハニー、何か悩み事かい?』
「へっ?」
ジョセフィーヌには何でもお見通しらしい。
こういうところも全部被るんだよ。
あたしが少しでも変だとすぐに気付いてしまう
から嘘なんて吐けなかったよ。
ズルい人だった。いつだって余裕な顔をして、
飄々としてるものだから余計嘘なんてすぐに見抜かれてしまうんだ。
『僕はいつだってハニーの味方だよ?』
“僕はいつだって君の味方だからね”
世界で一番あたしに優しい人。
今のあたしでは駄目な気がする。
彼に会いたいと思う気持ちをいつだったか封印した。
こんな詰めの甘いあたしでは情けない。
ソファーから立ち上がり階段を駆け上り、
自室に踏む込むとすぐに電気を付けた。
窓越しには煌く星と肩を並べる三日月が見えた。
ジョセフィーヌも追いかけてきたようでドアから
こっそりと様子を伺ってるようだった
机の一番奥に仕舞ったはずだったクマさんのモチーフ
のオルゴールを手に取る。
封印したはずなのに、春が近くなると途端に会いたくなる。
「四季さん、声が聴きたいです。」
もう妄想だけで貴方を見つけるのは何度もやってます。
だからこそ、余計会いたくてしょうがなくなる。
貴方は今どこで何をしているのですか?
クマさんのオルゴールの引き出しを開けると、
チューリップの可愛いネックレスが出てきた。