Hurly-Burly 5 【完】
***
said:真
仕事終わりに会社を出ると大きくてを振る俺の恥ずかしい
親友が飛びついてきた。
「何時から?」
こんなに寒い中待ってるなよと思いながら透真を見ると
鼻が赤くなっていた。
「そんな待ってないよ~」
「菜南子ちゃんは?」
「さっきまで会ってたけど、仕事なんだって!」
透真にあんな綺麗な彼女が出来るとは世の中
馬鹿にしちゃいけないな。
彼女が居ない男もまだ諦めるのは早いぞ。
「ふ~ん」
「何だよ!真、もしかしてヤキモチ!?」
「やめてくれ、気持ち悪ぃ」
心底、嫌そうな顔をすれば透真がちぇっと
口を尖らせた。
「あんまり、心配させんなよ。折角、重荷が
軽くなったんだから菜南子ちゃんと結婚しちまえ。」
「・・・・・うん、したいよ。菜南ちゃんと結婚
したいとは思ってるけど、ひーちゃんが幸せに
なるのを見届けるまでは俺も幸せにはなれない。」
コイツ、意外と真面目な考え持ってるんだったな。
「四季には連絡まだ付かないのか?」
帰ってきてずっと探し続けてるらしい。
俺も暇が出来れば手伝ってはいるが、
やっぱり日本には居ないようだ。
海外でも探してはみたらしいが、
範囲が広すぎて検討もつかなかったとか。
「いい加減にしてくれってんだい!アイツの行きそう
なところなんて全然思いつかない!何年も親友やってきた
ってのにちっとも分からんぞ!!」
アイツはとにかく厄介な男だった。
柔らかいオーラを纏っていつもにっこりと笑いながら、
頭がキレて透真でさえよく負けていた。
その癖、タチが悪いことに掴みどころがなく
女にはスゲーモテまくっていた。