頭のてっぺん
「シケた顔」

ケラケラと匠海は笑い出した。

「煩い」

私は ムッとして匠海を睨んだ。

「なんだよー 久しぶりに逢ったのに」

匠海は まだ笑っている。

「あんたなんか…あんたなんかに 逢いたくなかった!」

私は 今日 1日の怒りと苛立ちをぶつけるように 匠海に怒鳴り、腕を振り払う。

「……」


匠海は 急に真面目な顔になった。


「俺は…逢いたかった」


「な、なによ」

匠海に じっと見つめられて 固まってしまう。


悔しいけど、あの頃より 男ぶりが上がって 不本意にも スーツ姿に見とれてしまった。

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