王子様とビジネス乙女!
私ははっとして王子様の目を見た。
アイスブルーの瞳がいつになく真剣に光っている。
「この数日でよくわかっただろう?
王子というのがいかに窮屈で、息の詰まるような身分か」
「レナール様…」
「私を外へ連れ出してほしい。
君の住む、自由な世界へ。
それで、私を利用してボロ儲けしたことは許してあげるからさ」
「うぐ」
そこを突かれると痛い私であった。
「大変なことになっちゃったわねぇ、カドリちゃん」
「ぬぬ…後悔しても知りませんからね、レナール皇太子陛下…」
「あはは、そんな顔をするなよ」
楽しそうに笑う王子様を見て、当日は徹底的に子分扱いしてやると誓ったのだった。