I am … 【完】
私はその本をそっと受け取った。
広瀬さんは、読むか読まないかは任せるけど気が向いたら読んでほしいといった。
表紙に天使のような赤ちゃんの絵が描かれた本だった…
「後で読ませてもらいます…」
そう言うと、優月とは反対側の枕元に置き、広瀬さんの視線を追って再び優月に視線を落とす…
穢れを知らない小さな顔は、とても気持ちよさそうに瞳を深く閉じていて
“誰も恨んでなんかいないよ…”
そう私に語りかけてくれるようだった…