キモチの欠片
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時刻は二十一時過ぎ、食事を終えて今は遠藤さんの車の中。
遥を先に降ろしてもらい、今は二人きり。
「すみません、ごちそうになった上に送ってもらって」
「いや、気にしないでよ。俺が誘ったんだし、すごく楽しかったから」
遠藤さんは柔らかな笑みを浮かべる。
遥が中華が食べたいと言い、遠藤さんおススメの中華料理のお店に連れて行ってもらった。
遠藤さんは食べ歩きが趣味らしく、美味しいお店をたくさん知ってるみたいで遥が興味津々に聞いていた。
会話が途切れたあと、車内のクラッシックを聴きながらボーッと流れる景色を眺めていた。
「家はこっちでいいんだよね」
チラリとあたしの方を見てすぐに前を向く。
「はい、あそこのコンビニで降ろしてもらってもいいですか?」
さすがにマンションまで送ってもらう訳にはいかない。
それに冷蔵庫の中身を思い出し、飲み物やヨーグルトを買って帰ろうと思った。
了解、と遠藤さんはウインカーを右に出しコンビニの駐車場に車を滑り込ませた。