密の味~先生、教えて~



僅かな沈黙の後。


「どうしてだと思う?」


質問に質問で返され、戸惑う。


思わず視線を移すと、先生も私を見ていた。


「あの日の俺と同じ事したら教えてやるよ」


おどけた口ぶりとは真逆の――。


真剣な眼差し。


触発されて。


体が動いた。


先生の胸倉を掴み、壁際に追いやって。


つま先立ち、顔を近づけそのまま――。


唇を、重ねた。


始めは押し付けるだけのキスだったけど次第に――。


「…ん……っ」


熱っぽく、いやらしく。


誘うように中を刺激する。


あの日の記憶を辿って。


精一杯、大人びたキスを繰り返した。


< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop