恋の魔法に
「莉子、結城くんのこと知らなかったの!? うちらがあだ名つけた子だよ! ”顔のキレイな子”ってつけたじゃん」
「は……?」
顔のキレイな子?
んー……?
あぁ! たしかにつけたかも!
「そうだそうだ! "顔のキレイな子"! 顔見てもすぐに思い出せなかったわ」
結城くんのこと全く知らなかったわけじゃなかったんだ。
あんな近くで見たのは初めてだったからわからなかったんだな。うん。
「なんで莉子はそんなに抜けてるのかなぁ。てかいつのまにそんなに仲良くなったのよ」
「いや、仲良くなったというか……」
担任の先生が教室に入ってきたから私たちは話すのをやめて志帆は一度前を向いた。