恋の魔法に
二年生は私以外みんな自転車通学。
電車通学は私だけだから帰りはいつも一人。
強豪校ではないけど、みんなそれぞれ向上心があり練習には一生懸命取り組んでいる。
コツコツと自分のローファーの音がいつもよりよく響いて聞こえた。
街灯のぼんやりとした光を見つめながら駅までの道を歩く。
学校周辺はコンビニがあるだけで遊ぶ場所もなにもない。
駅まで歩いて20分。
走れば10分。
今日のご飯はなんだろう?ってそんなことを考えながら歩いてると誰かの走ってくる足音がだんだん近づいてきた。
「あのっ……」
横に顔を向けると学ラン姿の男の子が膝に手をついて荒い呼吸を整えようと深く息を吸って吐いてを繰り返していた。