恋の魔法に


「結城くんのことは好きとかそんなんじゃないよ。私好きな人いないし」


「じゃあ……結城くんが莉子に片思い中ってこと?」


「違うでしょ」



あんな可愛い系男子が私を好きになるなんてないない。

それに私の方が年上だし。



「そうかなぁ。今日一日ずーっとメールしてたじゃん」



また志帆がにやっと笑った。
その笑い方やめなさいな。



「昨日私が先寝ちゃったから今日も続いてるってだけ! じゃあお先に~」


「結城くんと帰んのー?」


「一人ですっ」



ローファーに足をつっこんで足早に部室を出る。

はぁ……疲れた。
いろいろ疲れたわ。


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