隣の彼の恋愛事情
* * *

新しい支店では、窓口で新人の一年生のフォローをしたり、営業アシスタントや雑務を行っていたが、法人課に異動になる前にやっていた仕事とほとんど変わらないので仕事自体は、そこまで大変ではなかった。

ただ、仕事には悩みが付き物で―――


私は女性が多いこの業界での女の子同士の独特の付き合いが苦手だった。

年齢が4つも違う新人の(学生気分の抜けない)女の子たちは私にとってすでに未知のものであり、自分が年齢を重ねたことを感じさせてくれる存在だった。

お客様にお叱りをうけ、泣き出す。
代わりに応対してあやまったり、そのあとは泣き出した子をトイレまで説得に向かいなだめたりすかしたりして業務に戻らせる。

大丈夫かな~?なんて心配してると、社内恋愛の噂や社内のイケメンとどうやったらコンパができるかを「キャイキャイ」と話している。
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