隣の彼の恋愛事情
「お前、俺から逃げられると思ってんの?」

「はっ?」

「だから、俺がお前を逃がすと思ってんのか?」

「あのー?ちょっと私にわかる日本語で話ししてください。」

「あーとうとう日本語まで不自由になったか。ははは――やっぱお前サイコー!」

電話口で大きな笑い声が聞こえる。

(もう、なにがおかしいの?おかしいの自分じゃない!)

「あの、もう切ってもいいですか?」

「あぁ、起こして悪かった。せいぜい明日からに備えてゆっくり休むんだな。」

「明日から?」

「そう、覚悟しとけよ。」

捨て台詞のような言葉で通話が終了した。

(何?どういうこと?)

この電話の内容に頭が支配され、何もできないまま日曜一日を過ごすことになった。
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