隣の彼の恋愛事情
***

ほどなくして、到着したのは本社のすぐ近くにある高級タワーマンション。

(本社のこんな近くのマンションだったんだ)

いつか、会社帰りに食事に行った際に着替えて車で迎えに来てくれたことを思い出した。

車は地下の駐車場に入り、流れるように駐車された。

(流されるままについてきたけどこれからどうしよう)

そんなことを考えていたのがばれたのか、

「今さら何考えてもしかたがないから、早く降りろ」

そう言われて、車から降りるとエレベーターに促された。

アイツが8階のボタンを押すと、エレベーターは静かに上昇し始めた。
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