隣の彼の恋愛事情
「何緊張してんの?」

アイツが楽しそうに言う。

「き、緊張なんてしてません!」

明らかに緊張してるのに、認めたくない私の声が少し大きくなった。

「大丈夫だって、取って食ったりしないから」

アイツがそういうのを聞いて安心して、少し顔をゆるめると

「ちょっと味見するだけだよ」

と意地悪そうな顔で私の顔を覗き込んできた。

「あ、味見!?」

途端に耳まで真っ赤になった私を見たアイツは、肩をゆすりながら声をだして笑った。
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