隣の彼の恋愛事情
早希のほうを見ると、隣のもろ早希のタイプの人と楽しそうに話ている。
(とりあえず頭数の合わせの役目も終了=)

早希にみつからない『逃亡計画』を頭の中で画策する。

横の、おさわり男に聞こえるかきこえないかぐらいの声で手洗いに行くことを告げて席をたった。

(早希、GOOD LUCK!)
そう心のなかでつぶやいた。

トイレを済ませた私はこっそり出口へ向かおうと階段をおりて、出口へむかっていた。

もうすぐ出口というところで、手を掴まれた。
ふりむくとそこにはおさわり男!

「紅ちゃ~ん。どこ行くの?」
顔が近い~
なんとか顔をそらしながら、
「門限があるので。」
とかうそぶいてみる。
(ひとりぐらしだっちゅ~の)
「え~オレ送っていくよ。」
お決まりの下心見え見えのセリフがささやかれる。
(耳もとでしゃべるな~!)

どうにかこうにかおさわり男から逃れようとしていたが、フロアから死角になる場所へじりじりと追いやられていた。

そのとき、後ずさりしていた私の背中に「ドンっ!」と何かにぶつかった衝撃がはしった。
< 14 / 335 >

この作品をシェア

pagetop