隣の彼の恋愛事情
「今の仕事をしてるのは、まぁいわゆる勉強のため。手広く事業やってるからすぐにグループをまとめるのは無理だろ。だから修行中。」
「で、修行の一貫で飲食店も何店舗かこうやって任されてやってるわけ。」
面倒そうに話をする。
「これって、会社のみんなは知ってることなんですか?」
私が一番気になってることを聞いた。
「知ってるはず無いだろうが、知ってたら修行の意味ないし。」
はぁ~っとため息をつきながら離す。
「ってことは、バレるとまずいんですよね。」
口からぽろっと思っていることがこぼれた。
「はぁ~お前俺を脅すわけ?」
思いっきり睨まれた。
(ひー悪魔降臨だよ。鉄仮面の方が数倍まし)
「いえ、いえ滅相もない。でもばれると困るんですよね。」
「いっちょ前に神崎ごときが俺を脅すなんてな。」
今度はニヤリと笑われた。
「お前、言っとくけどな。社員は知らないが、社長はおれの叔父に当たる人だ。困ることなんて何もない。」
「それよりも、お前がこのことを社員にバラしたらどうなるかとか、考えないわけ?」
そっと顔を覗かれて、ビックっとする。
「と、いいますと?」