隣の彼の恋愛事情
斗馬の言うことは至極正論だ。

ただ今の私にその正論が通じるような状態ではなかった。

「どうしたんだよ?いつものお前らしくない」


「いつもの私って何?何も知らずにへらへらしてるのがいつもの私?」

「そんなこと一言も言ってないだろ!」

斗馬の声もだんだん大きくなってきている。

「好きな人に婚約者がいて、妊娠してるかも知れないって聞いてへらへらできるほど、鈍くないから」

勢いで出た言葉に自分でもびっくりする。

言われた斗馬はもっと驚いたようで、私の両肩をギュッと握りしめて
「お前その話どこで・・・」

私は斗馬の手をひきはがすと

「結子さん本人からだよ。斗馬は何も言ってくれないじゃない。蚊帳の外だったのは私のほうじゃない!」

そう叫ぶと、バックをつかんで玄関へ走りだした。

「ちょっと、待てよ」

靴をはき玄関のドアを開けようとした瞬間、勝手にドアが開いた。
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