隣の彼の恋愛事情
「と、斗馬は一体ここに何しに来たの?私に会いに来たんだよね?」

今の状況を少しでも変化させようと話をしてみる。

「そうだよ、そしたらお前らがこんなところであんなことしてるから」

再度思い出したのか、苦虫をかみつぶしたような顔をする。

「じゃあ、話きくよ。ここじゃなんだし駅前のカフェに行こう?」

そう提案すると

「いや、俺に着いてきてくれ。そこで話する」

そう斗馬が言うやいなや

「紅、行かなくていい。話なら俺もいるここでしてもらう」

そうはっきりと言い切ったチィ兄を斗馬が睨む。

「わかった、どうせお前に帰れって言ったって帰らないだろ?美馬も一緒に来い」

そういって、斗馬は私の手を引いて歩き始めた。

振り返ってチィ兄をみると、見るからに不機嫌な顔で私たちの後を追ってきていた。
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