隣の彼の恋愛事情
仕事のほうは相変わらず、バタバタと忙しいけれど私はこの忙しさが好きなんだと改めて実感していた。

店頭での接客はやはり無機質なPCに向かっているよりも自分に合っている。
いくらインターネットでの株取引が主流になっていても、年配の方はやはり今までどおり店頭の株価ボードを顔なじみの人たちと話しながら見つめ、私たちに直接株の注文をしてくる。

「山本社長、そろそろ会社にもどらなくていいんですか?」

私は、常連の岬商事の山本課長に声をかけた。

「いや~神崎さん。かたいこと言わないでよ。それに私がいないほうが会社はうまくいくんだよ」

なんてウィンクしながら話をする。

「秘書の方から怒られても知りませんからね」

そう言って笑いかける私に肩をすくめて返してきた。

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