隣の彼の恋愛事情
そんな中でも今日は見慣れない和服姿の綺麗な年配の女性の姿が目に付いた。私の母ぐらいの年代。ああいう風に歳を重ねたい、一見してもそう思わせる気品の持ち主だった。

(初めてみる方だな・・・)

顔と名前を覚えるのは得意な私が記憶をたどっても思い出せない。

「何かお伺いしておりますか?」

念のため声を掛けさせてもらうと、

「いいえ、少し興味があったもので」

そうにこやかに答えた。

「何か、気になるものがございましたらお伺いしますよ」
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