隣の彼の恋愛事情
結子さんが施してくれたメイクは童顔の私を見事に変身させてくれていた。かといってけばけばしくもない。ぼーっとしてないで、ちゃんと手順を見ておけば明日からのメイクに生かせたのに、残念。
「これで完璧ね」
最後にチークを施してくれた結子さんが鏡の中の私に微笑んだ。
「ありがとう。こんなにきれいにしてくれて」
私は素直にそう言ってにっこりとほほ笑んだ。
「紅緒さんって本当に綺麗に笑うわね」
そう返されてきょとんっとしてしまった。
「斗馬さんが一度も私になびかなかったのも納得できるわ」
そうメイク道具を片付けながらくすくすと笑っていた。
「斗馬さんね、一度も私との結婚に頷かなかったのよ。それだけあなたのこと好きだったのね。だから何も心配しないでついて行けばいいのよ」