隣の彼の恋愛事情
斗馬とのことを話した両親は正直驚いていた。

父は複雑な心境でわざわざ苦労をしてまでという思いが強いのか、手放しで喜んでくれたわけではなかったが、母はひまわりのような笑顔を向けてくれて

「本当に好きな人で、その人も紅緒のことを必要としているならついてきなさい」

そう話てくれた。

母もきっと花屋の父の所に嫁いで苦労は沢山しただろう。朝も早いし休みはない。

それでもやはり父と一緒になって後悔したということなど一度も聞いたことがなかった。

その経験からきっと今回の私たちのことを応援してくれているんだろう。

そんな母がパーティの話をするとそっと出してくれた一枚の着物はとても素晴らしいもので、母曰く、尾上の奥さま(チィ兄のお母さん)も驚くほどの品だという。

「お母さんの財産これぐらいよ」

なんて笑いながら言ってたけど、この着物を今日の日のために貸してくれたその気持ちがなんとも言えずうれしかった。
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