隣の彼の恋愛事情
なんで私が責められないといけないの?

「うちの総務でも朝から、三浦さんの話題で持ちきりよ。」

(随分暇なのね。。。)

確かにいつもならそんなに多くないうちの課への女子の訪問がやたら今日は多い気がする。

「私、紅と仲がいいでしょ?だから飲み会セッティイングしてって、総務のおねぇ様達にたのまれちゃって。」

「そーゆーことか。」

「おねがいっ!」

両手をあわせて頼まれ、ウィンクまでして頼まれた。

「一応、聞いては見るけど。期待はしないで。」

(下僕の私の言い分をアイツが聞いてくれるとは到底思えない。)

「よ・ろ・し・く♡」

そう言うと、早希はランチを食べ始めた。

(はぁ・・・。)

私は、飲み会を頼まれて面倒だと思ったのもあるが、なんだか自分だけが知っていた秘密が、秘密でなくなってしまったことに少なからず落胆していた。

そして、周りも今まで見向きもしなかったのに、手のひら返したように彼に群がる女子をみてなんだか複雑だった。

(どうして、こういつもアイツに振り回されるんだろ)

私は、胸の中のモヤモヤを解消できないまま、ただモクモクとランチを口に運んだ。
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