隣の彼の恋愛事情
――――どうしてこうなるんだろ？

私は手の中ににぎりしめたビールを一口飲んで心の中でつぶやいていた。

ここは会社近くの、居酒屋でうちの社員が日頃からお世話になっているところだ。

そこに、早希をはじめ総務課のおねぇ様がた、そしてそれに囲まれるアイツの姿があった。

その他にも、アイツの同期や総務課の人も何人かいて思いもよらず大勢での飲み会になっていた。

（なんで私まで参加しないといけないのよ。）

早希に頼まれた飲み会をアイツに頼むと、思いがけずOKしてもらえ、内心かなり驚いた。

アイツは日頃からこういった社内の飲み会には不参加だったし、それゆえに今まで裏の（表の？）顔がばれずにすんでいたんだろうと、予測できた。

ただ、悪魔なアイツが一つ条件を出してきたのが、私も一緒に参加すること。

なんとか理由をつけて逃げようとしたものの、早希の強いお願いと、おねぇ様たちへの恐怖心でしぶしぶ参加していた。
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