隣の彼の恋愛事情
私たちが来たのは、実家近くの小さな小料理屋でチィ兄も私も小さい頃からここの女将さんにはお世話になっていた。

「いらっしゃいませ。」

そう言いながらカウンターから顔をのぞかせた女将さんが顔をパァっとほころばせた。

「まぁ、懐かしい顔が二人。」

優しい雰囲気は歳をとった今でも変わらないままだった。



女将さんに進められるままに、座敷の席にチィ兄と二人で座る。

「紅はビールでいい?」

そうチィ兄に言われて頷く。

「女将さん、ビール二つ。あとは適当で。」

「はぁい。かしこまいりました。二人がお酒飲めるようになったなんてね。」

なんだか感慨深そうに言う女将さんがおかしかった。
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