隣の彼の恋愛事情
うつむいている私の背中に今一番聞きたくない声が聞こえてきた。

「神崎!美馬!」

振り返るとそこにはアイツが立っていた。

結子さんがいた時点で帰っていればよかった。もしかしたら、ただの知り合いかもなんて淡い期待をしたせいで、自分のおかれた現実を理解してこんなに傷つく前に。

「あの、私帰ります。」

それだけ伝えてバックを手にとり、入口に向かった。

「神崎!」

後ろからアイツの声が聞こえるが、止まらずに歩いた。

入口出てすぐのところで、アイツにつかまった。

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