それでも君が好きだよ
私は番場くんの家に背中を向けたまま
走り出していた。
どこへ向かってるかなんて分からない。
ただ、分かるのはこの涙はもう止まる
ことはないという事と…。
彼の心の中に私は居ないという事…。
「分かってた事なのに今更バカみたい…。」
私は息を切らし、走る足を止めて、
パッと前を見た。すると目の前には
可愛い花屋さんと柏原くんの姿が見えた。
そして、そんな私に気付いた柏原くんが
不思議そうな顔をして
私の方へと近づいてきた。