それでも君が好きだよ

新井には笑っていてほしい…。



俺は部屋の窓越しから


真っ暗な夜空を見つめた。



北野が俺ん家に勝手に上がり込んだ後は


十分と言うほど残されていた。




甘い香水の香り…荒らされた机の上。


何よりも…



「父さん、俺さ…どうしたらいい…。」



わざと置いていったような

小さなメモが俺の心を閉ざす。



中を見たらいつも通り…。



《和佳は私のものなのよ…。》の一言。
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