椿ノ華



苦しそうな、切なそうな葵の表情。


「…お兄様…?」


思わず、抵抗を忘れる。


「…どうして妹なんだ」

「え…」

「やっと…会えたのに。どうして妹なんだ…!!」


言っている意味が分からなくて。


「…俺は信じない…。お前は誰にも渡さない…!!」

「やっ…!」


首筋に葵の顔が埋められ、舌が這う。



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