椿ノ華



「…とりあえず、シャワーでも浴びておいで。ね」

「…ええ、ありがとう」

「服は適当に用意しておくから。風呂場はこっちだよ」


案内される儘着いて行き、着物を脱いでいく。

大きな鏡に自分を映せば、至る所に紅い印が付いていて。


「…っ」


艶かしくフラッシュバックする、
葵との…実の兄との、行為。


「…初めて、だったのに」


掠れた声でそう呟いた。



―・・・



「…あ、れ」

着物が無い…



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