椿ノ華



―・・・



「葵さん!!どういう事か説明してちょうだい!!」


いつもの勢いで、いつもより凄い剣幕で、
いつも通り押し掛けてきた麗羅。


「その女は妹じゃないの?!妻ってどういう事?!」

「ああ、その話ですか」


面倒臭そうに立ち上がり、麗羅に向き合った葵。

椿は、はらはらしながら二人を見詰めているしか出来ない。


「彼女は僕の妻ですよ」


余裕綽々とした態度を崩さず、
冷たい瞳の儘微笑んでみせる葵。


「言っていませんでしたか?婚約者はカムフラージュだと」



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